文章を書くのが苦手な人必見!『「9マス」で悩まず書ける文章術』山口拓朗


白紙のページを前に、俺はもう、何も動けないでいた。書いては消して、書いては消しての繰り返し。文章を書くというのは、こんなにも難しかっただろうか。

 

今まで俺は文章を書く時、特に悩むことなく書けていた。何度も試行錯誤していくうちに、自然と頭の中に文章が浮かび、指が勝手に動くようになるのだ。

 

だからこそ、時間をかけた文章をまとめて消した時も、徒労を感じたことはない。いずれ、これだと思える文章が出てくることを知っていたからだ。

 

だが、今ではその気配すらない。なにせ、一文字すらも書けていないのだ。書いても書いても、前に進んでいる気がしない。

 

その理由はわかっている。ここ数日、俺は文章をより上手く書くために、文章術を解説している本を何冊か読んだのだ。だが、それが裏目に出た。

 

俺は今まで何も知らなかったからこそ、自由に書けた。そのことを、今になって痛感する。未熟だったからこそ、好き勝手に書けたのだ。

 

だが、今では知識を身につけたことで、先に進めなくなっていた。俺自身の文章がわからない。こんなことは初めてのことだった。

 

今の俺は、文章の技術を知ったうえで、それを自分のものにしなければならないのだ。だが、そもそも書けなくなったのでは本末転倒もいいところ。

 

……ああ、やめだ。気分転換に、本でも読んでみることにしよう。幸い、以前図書館で借りたライティングの本はまだあるのだ。

 

手に取ったのは、山口拓朗先生の『9マスで悩まず書ける文章術』という本だった。その本は、文章の書き方に迷ってしまった今の俺にこそ必要な気がしたのだ。

 

そもそも、なぜ9マスなのか。その理由は、その本の冒頭に書かれていた。人には枠があると埋めたくなる習性があるから、なのだという。

 

4マスや6マスでは少なすぎて足りない。かといって、12マスや16マスでは多すぎてしり込みしてしまう。9マスは、いかにも最適な数なのだ。

 

本には、9マスを使って自問自答をしていくことで文章を構成していく手法をはじめ、今まで発想すらなかったような書き方の解説がされている。

 

しかも、そのどの方法にも漏れなく9マスが使われているのはこの本のタイトル通りであり、俺はその汎用性に感嘆した。

 

何より、その方法は難しい方法というわけでもなく、誰でも簡単にできるくらい単純でわかりやすい方法だということだ。今すぐにでも試すことができるくらい。

 

実際に試してみると、なるほど、たしかにすらすらと文章が書ける。文章が苦手な人でも、この書き方なら悩むこともないだろう。手間がかかるのは玉に瑕だが。

 

だが、その方法を試した時に、不思議な感覚があった。それは、あと少しで何かが掴み取れそうで、けれど届かない、そんな感覚。

 

その正体を掴もうと、ひたすらに書いてみる。すると、気が付けば俺は、書く時に自然と頭の中に9マスを思い描いていることに気が付いた。

 

その時、衝撃が走った。まるでパズルのピースがかちりと嵌まるところを見つけたかのような。

 

そうだ、これだ。未だかつて見いだせていなかった、俺自身の書き方。その答えを、確かに見つけたのだという確信があった。

 

長いトンネルを抜けた。そんな解放感があった。それは、再び文章の世界を自由に、今までよりも高く飛ぶことができるという、歓びだ。

 

 

何にでも使える9マス文章術

 

「悩まずすらすら書けるようになりたい」「論理的に、言いたいことが伝わる文章を書けるようになりたい」

 

この本を手に取ったあなたは、このような悩みをお持ちではないでしょうか。本書は、そんなあなたが”悩まず”書けるよう、文章の書き方のコツを丁寧にお伝えします。

 

そもそも人は、なぜ書くことを苦手に感じるのでしょうか。ひとつは、「他人の目を気にしすぎている」ということです。

 

あなたの身近にいる文章上手な人ほど、自分の考えや気持ちに向き合い、それを”情報”としてアウトプットしています。だからこそ、人を惹きつける文章を書くことができるのです。

 

かといって、自分の考えや気持ちに向き合うことはなかなか大変なことです。そこで本書では、9マスを使って自分の意見をアウトプットし、情報として発信する方法をお伝えします。

 

では、なぜ9マスを使うのか。それは、人には”枠があると埋めたくなる”習性があるからです。

 

9マスは、「情報収集」から「情報整理」「文章作成」まで、ありとあらゆるプロセスで重宝します。言葉を掻き出すことによって、漠然とした情報を可視化することができます。

 

もちろん、「どう書けばいいか」についても、本書では詳しく解説していきます。さらに、インターネット全盛の時代にマッチした情報発信のコツもお伝えしていきます。

 

ビジネスで書く文章とプライベートで書く文章を巧みに使い分けるスキルが手に入れば、あなたの人生の景色は大きく変わっていくはずです。

 

文章作成とは対話です。読む人との対話であり、自分自身との対話です。9マスを活用しながら、あらゆる会話を楽しんでください。それでは、9マス活用の旅のスタートです。

 

 

「9マス」で悩まず書ける文章術 [ 山口拓朗 ]

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