誰もがあなたの話を真剣に聞くようになるトーク術を学ぼう『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』金川顕教


おもしろい話だったよ。今まで聞かされたおべっかだらけの感想の中でも、上司のいかにも投げやりなその言葉がもっとも俺の心に突き刺さった。よくそんなことを言えたものだ、俺の発表中、ずっと寝ていたくせに。

 

俺は仕事が好きだ。デスクワークというものが、元から嫌いではないのだろう。淡々と数字を打ち込んでいると、だんだんと周りの音が消えていって、自分だけの世界に入る。それがたまらなく好きだったのだ。

 

だが、どうしても苦手なものがあった。それは、会議での発表である。俺は昔から人前で話すことが何よりも苦手だった。あがり症で、顔が熱くなり、汗が流れ、次第に自分でも何を言っているのかわからなくなってくるのだ。

 

そして、次の、一週間後に控えた会議では、俺の発表の番だった。前回の発表では、苦笑交じりのおべっかを散々聞かされた挙句、眠りこけていた上司から「おもしろかった」と言われ、危うく殴ってしまいそうになった。以来、発表はトラウマになっている。

 

自分の口下手をどうにかしたかった。だが、いったいどうすれば直るのか。見当すらもつかなかった。迷った挙句、俺は心を落ち着けようと、近くの図書館で静かに本でも読もうと考えた。

 

まさか、そこで、今の俺にもっとも必要であろう一冊と出会うことになるなんて、その時は思ってもみなかった。ひと目見た時から、その本を読むべきだと、俺の中で直感が囁いたような気がした。

 

金川顕教先生の『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』という本である。どこか詐欺の手引きみたいな胡散臭さ漂うタイトルだが、俺は迷わず手に取った。

 

稼ぐ話術という題名だが、読んでみると、直接お金につながるようなことが書かれているわけじゃない。どちらかというと、ビジネスに役立つ話術を身につけるやり方の指南書であるらしい。

 

相手に話を聞かせ、「YES」と言わせる。それこそが、この本の言うところの、稼ぐ話術の真髄だ。

 

前の会議で、俺にはできなかったことだ。まず話に何も注目されず、「YES」も「NO」もなかった。そもそも誰も聞いていないのだ。

 

二者択一で話す。すなわち、それこそがコツなのだという。つまり、「YES」か「NO」で答えられる質問の仕方をするのが大切らしい。

 

読んでみれば、この本に書かれているコツはどれも何ら難しいことはない。それどころか、明日から実践しようと思えばできそうなものばかりだ。

 

しかも、より詳しく説明するのではなく、むしろ「より簡潔に、わかりやすく」話すことが重要なのだと書いてあった。

 

本当だろうか。そんなに簡潔では、何も伝わらないのではないのか。俺の中に、そんな疑問が生まれる。この本は本当に正しいのか。

 

「失敗談を話す」というのもそうだ。そんなことをしては、部下に威厳が保てなくなるのではないか。上司からの覚えも悪くなるかもしれない。

 

「稼ぐ話術が、あなたの可能性を切り拓く」

 

俺の揺らぎかけていた心が、その一文を見て、止まった。そうだ、俺は今まで口下手だった。それを直すために、この本を信じてみようと決めたのだ。ならば、結果はどうなっても、実践してみよう。

 

その後、「稼ぐ話術」を実践してみた俺が、会議で上々の反応を得ることになる未来を、俺はまだ知らない。

 

 

稼ぐ人の話し方

 

稼ぐ人には「共通する話し方」があるのです。稼ぐ人の「話し方」には、人を動かし、仕事を動かし、組織を動かし、そしてお金を動かす――共通の特徴があるのです。

 

「稼ぐ話術」と言っていいかもしれません。説得力があるだけでなく、熱意やこだわりを自然に感じさせる。それでいて嫌味に聞こえない。「稼ぐ話術」で話すと、相手が「『NO』とは言えない何か」を感じるようです。

 

この本では、僕の知る限りの「稼ぐ話術」のコツをすべて紹介しました。つまり、この本1冊で、「稼ぐ話術」が簡単にマスターできるようになっています。

 

「稼ぐ話術」の1つに、「二者択一で話す」というコツがあります。「二者択一で話す」のは、明確な理由があります。仕事はもちろん、人生において重要なことは、すべて「二択」だからです。

 

第3の選択肢など考えていると、どうしても仕事の姿勢がブレてしまいます。そもそも、人生において重要なものはすべて「二択」なのですから、第3の選択肢を考えること自体、時間のムダ。つねに「二択で考える」――。

 

稼ぐ人は「話し方」だけでなく、「聞き方」にも共通の特徴があります。意識している、していないは別として、稼ぐ人は誰もが、目の前の相手に対して、同じような「聞き方」をしています。

 

稼ぐ人は二者択一で話すだけでなく、「二者択一で聞く」――という「聞き方」です。「二者択一で聞く」と、相手は答えやすいのです。

 

「二者択一で聞く」メリットは、まだあります。「なぜ?」という、相手にとって面倒な言葉を使う必要がなくなるのです。

 

「稼ぐ話術」には「二者択一で話す」の他、たとえば次のようなものがあります。

 

・稼ぐ人は、「数字を使って話す」

・稼ぐ人は、「2W1Hで話す」から、ムダがない

・稼ぐ人は、「主語」を上手に使う

・稼ぐ人は、あえて「失敗談を話す」

 

などなど。どのコツも「二者択一で話す」のように、「すぐできる」ものばかりです。さらに言えば、「すぐ結果が出る」ものばかり。

 

今日、どれか1つ試してみるだけでも、その効果を体感できるはずです。「稼ぐ話術」が、あなたの「可能性」を開花させる武器になることを願っています。

 

 

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