コロナ禍に立ち向かうために『新型コロナに立ち向かう100の技術』日経BP


新型コロナウイルスが流行し始めて、すでに二年目にもなろうとしている。ワクチンという政府の言うところの「切り札」がようやく出回ってきたものの、未だ治療薬というコロナ禍の出口は見えていない。

 

コロナウイルスの流行によって社会は一変した。外を出歩く人々はマスクをつけているのが当たり前になり、外出を控える人も多くなっている。

 

飲食店や旅行会社は、そのために今もなお、厳しい経営に喘いでいるという。すでにそういう習慣が出来上がってしまったのだ。

 

しかし、私自身はと言えば、新型コロナウイルスの流行は社会に対して悪影響ばかりをもたらしたわけではないと思っている。

 

コロナ禍によって、従来のやり方が見直されるようになってきた。テレワークやオンライン会議などは、「仕事をするには会社に出勤しなければならない」という凝り固まった思い込みを打ち崩した。

 

ネットを活用したサービスに長けている「ウーバーイーツ」や「Amazon」がより重宝されるようになり、他社も次々と参入してきている。

 

苦境に立たされた飲食店の中にも、独自のサービスやシステムを編み出して、コロナ禍でありながら立て直したところもある。

 

つまりは、結局のところ、「やり方」の問題なのだろう。

 

従来のやり方が通用しなくなったのならば、時代の変化に合わせたやり方に変えていかなければならないのは当然のことである。

 

今までは、相応の危機がなかったからこそ、変わる必要性を見出さなかった。しかし、今はコロナ禍という危機の最中に私たちはいる。

 

従来のやり方が通用しない。現代において生き残ることができるのは、時代の潮流を読んで、思い切った変革を起こすことができた人々や企業だけだ。

 

そのためには、今まで「企業」という殻に守られてきた人たちもみな、ただ上司の命令に唯々諾々と従うのではなく、ひとりひとりが頭を捻って考えなければならない。そういう時代になった。

 

日経BPが出している『新型コロナに立ち向かう100の技術』という本を読んでみた。コロナ禍によって新たに生まれた技術を数多く紹介している一冊である。

 

「思い切っていったんリセットし、再起動しなければなりません」

 

この本の冒頭には、こう書かれている。そう、リセットと再起動だ。今までのやり方にこだわり、時代に合わせて変化していくことを怠れば、コロナ禍に呑み込まれていくだろう。

 

まずは、時代が変わったということを受け入れ、今までのやり方を見直すこと。それが必要なのだ。そのうえで、コロナ禍に立ち向かうための新たな方法を考えなければならない。

 

私たちは今まさに、危機に直面している。それは突如として現れ、あっという間に私たちの生活を浸食していった。誰ひとりとして、こんな世の中になることを予想できなかったはずだ。

 

だが、だからこそ、職を失い、外にも出られないことを嘆いているばかりでは、何も変わらない。むしろ、この危機は自分や社会を大きく変えるひとつのチャンスなのだ。

 

『新型コロナに立ち向かう100の技術』には、そうやって知恵を振り絞り、新たな時代に立ち向かうために生み出された技術が紹介されている。

 

彼らは諦めず、いかにしてこの危機を乗り越えることができるか、頭を捻って考えたからこそ、これほどの素晴らしい技術を生み出すことができたのだ。

 

人が密集することができず、気軽に旅行にも行けない。マスクをつけなければいけないし、集まって食事もはばかられる。家にこもって過ごしていても、何もやることがなくて退屈だ。

 

多くの人の心には、不満や不安が立ち込めている。しかし、新たなアイディアや発明はその暗雲の中から生まれるのである。

 

この本に書かれている多くの優れた技術。この末端に名を連ねるチャンスを、今や、誰もが持っている。再起動するためのリセットボタンは、すぐ目の前にころがっているのだ。

 

 

危機に立ち向かえ!

 

危機はあらゆるものをふるいにかけます。企業や国家、ビジネスパーソンや生活者に影響を与え、ふるいに残るもの、脱落するものを分離します。

 

新型コロナウイルス感染症がもたらした機器も企業やビジネスパーソンをふるいにかけようとしています。生き残るにはどうすればよいのでしょうか。

 

変化は一気にやってきます。コロナ禍によって医療も生活も仕事も移動も場所も社会基盤もすべて変わります。どのように仕事をしていくか、生きていくかを考え、自分自身を変えていくことが求められます。

 

変化の原動力はテクノロジーです。変化に向かうための選択肢は着実に増えています。新型コロナを抑えるための技術やコロナの影響を受けつつ変化を支える技術が続々と登場しています。本書はその中から「100の技術」を掲載しました。

 

こうした技術を使いこなし、危機に直面している私たちはどこまで変わることができるのでしょうか。思い切っていったんリセットし、再起動しなければなりません。

 

世界中の企業が、ビジネスパーソンが同様の状況に向き合っています。危機は企業や人を強くします。リセットボタンを押し、再起動に向け、動き出しましょう。本書が再起動に臨む方々の参考になれば幸いです。

 

 

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