対人関係に悩まない『嫌われる勇気』岸見一郎 古賀史健
「人から嫌われたくないんです」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「人から嫌われたくないんです」
大学を卒業して就職した時、俺は会社でも上手くやれるだろうと思っていた。それがまさか、こんなことになるとは、夢にも思っていなかったのだ。
激しい咳が聞こえる。息できないと叫びたくても叫べない、そんなことすら思わせる咳に、思わず閉ざす扉を開けて駆け寄りたくなってくる。
未知の生物が襲ってくるとしたら、どこから現れるだろうか。宇宙から、あるいは、海底から、か。
「あなたが犠牲になれば、世界が救われます」
「ひとつの物事も別の視点から見たら、まったく変わってくることだってあるよな」
「お前、オズワルドになる気はないか?」
「『ガリヴァー旅行記』って知ってるか」
「電車の中ってのは密室みたいなもんだよな」
「『モダンタイムス』って知ってるか。伊坂のじゃないぞ。チャップリンの。ほら、あの歯車でくるくるするやつ」