自称宇宙人との邂逅から始まる『電波女と青春男』入間人間
「第十五惑星から来ました。よろしくお願いします」
入館ありがとうございます。ごゆるりとお寛ぎくださいまし。
「第十五惑星から来ました。よろしくお願いします」
宇宙人も、未来人も、超能力者も、そんなものは存在しない。誰もがそう言って男を嗤った。
がんばらなくちゃ。私はいつもそう思っていた。その言葉通り、私はがんばった。そして、今。私は学校にも通わずに家にひきこもっている。
空っぽになった病室を、私は呆然と眺めていた。整えられたベッドを見て、ぼんやりと思う。もうここに、彼女はいないのだ、と。
それはひどく簡単な、誰もが持っているような願いだった。けれど、どうやら、それすらも、私の手には余るらしい。
荷馬車を引く馬の蹄の音が土を蹴る。遠くに見える都市はまだまだ遠く、私は思わずため息を吐いた。
私は何になりたかったんだっけ。まるでそれは暗い夜道で一人っきりで突っ立っているように。
誰もがその存在を天使だと讃え、その美しい声に涙していました。けれど、私は彼を怪物だと思うのです。
僕は最低な人間だった。いろんな人を傷つけた。だから、誠実であろうと思った。僕が誠実でさえあれば、誰も傷つかないと、そう思っていたのだ。
死神は蒼白な馬に乗って戦場を駆ける 王国と王都解放軍との戦いは次第に激化していった。腐敗しきった王国軍に対して、王都解放軍の士気は高...